47都道府県温泉巡り・北海道編02
2日目は数十年振りに函館市内観光することにした。まず、函館駅構内の観光案内所に向かい、函館市電の一日乗車券を800円で買う。市電の運賃は250~300円なので、3回乗ればほぼ元を取れる計算だ。そして市電を使って、まず五稜郭を訪れる。

五稜郭タワーから見下ろした五稜郭 / 函館港の桟橋に浮かぶ摩周丸 / 函館山展望台から見下ろした夜景
五稜郭は幕末に建てられた西洋式城塞だが、戊辰戦争で明治政府に明け渡され、その後開拓本庁が札幌に移転したので、中心施設であった箱館(函館)奉行所も解体され、五稜郭公園として整備された。今は箱館奉行所も再建され、往時の状態が再現されている。隣に建つ五稜郭タワーに登り、星形の五稜郭を見下ろした。
次に青函連絡船記念館の摩周丸を見学。青函連絡船は明治41年から昭和63年まで、本州と北海道を結ぶ重要な移動手段であり、私も学生時代に何度も利用した。昔の普通客室やグリーン客室も再現展示されていて、懐かしく見学する事ができた。
昼はホテルで洗濯を済ませ、ホテル内の温泉に浸かってから夕方5時過ぎに函館山へと移動。ロープウェイで山頂まで昇ると平日なので展望台は観光客も疎らだったが、山頂レストランで食事を済ませてから展望台に戻ると、そこは恐ろしい人だかりになっていた。聞こえてくる言語は中国語系が5割、日本語3割、その他2割という感じ。夕方の函館山のような日本を代表するような観光地ではインバウンド完全復活で、その外国人観光客に混じって、函館の夜景を堪能した。

函館で発券した北海道フリーパス
そして函館駅で北海道フリーパスの切符を発券した。北海道フリーパスは、JR東日本の「えきねっと」でネット購入すると、7日間道内の特急を含む列車乗り放題で28,000円だった。翌朝、この切符を使って道東・道北の温泉巡りを開始する。会社員時代、札幌市内の大学と共同研究していて、年に2回は北海道に出張があり、出張に便乗して札幌や旭川・小樽・ニセコ・登別などを観光していたが、札幌から遠い道東・道北を巡ることはできなかった。従って今回の旅行で、40年振りの道東・道北訪問となった。40年前は金が無かったので温泉に泊まれなかったため、道東・道北の温泉は初入湯という事になる。
この日は特急北斗9号で南千歳まで移動、そして更に特急おおぞら7号に乗り換え帯広駅に向かう。帯広駅で下車して駅前のバスターミナルからバスに乗り、十勝川温泉の観月苑という旅館の前で下車する。バスターミナルの窓口で観月苑に泊まると言って旅館の予約確認書を見せたら、宿泊者用の乗車券を渡され、片道600円のバス料金が無料となった。

十勝川温泉・観月苑の露天風呂
十勝川温泉はモール温泉と呼ばれる泥炭層を通して湧出する温泉だ。太古の植物が堆積した層を通って湧き出るので、植物起源の有機物(フミン質など)を含んだアルカリ性の温泉で、淡い茶褐色でスベスベとした泉質だ。モールとは亜炭などを指すドイツ語に由来していて、ドイツのムーアバートと呼ばれる泥炭温泉文化を起源としている。ただ、日本のモール温泉が植物起源有機物を含んだ湧き湯(温泉)に浸かる事を指すのに対し、ドイツのモール浴は地中から採掘した黒い泥炭を細かくしてお湯と混ぜ、濃厚な泥の温水プールに浸かることを指す。なのでドイツのモール浴は医療行為として認められている療養法となっているが、日本のモール温泉は湯治場という雰囲気は無く、純粋な浴場という感じだった。
旅館にチェックインした後、すぐに温泉へと向かう。ツルスベの泉質は確かに肌に優しく、ゆっくりと浸かっていられる湯であった。ただドイツのモール浴のような泥風呂を期待して入浴すると、淡い茶褐色の泉質とはいえ透明度は高く、泥風呂とは程遠い普通の温泉という感じで、期待外れになるかもしれない。
