47都道府県温泉巡り・高知編05
琴平の「こんぴら温泉」は比較的新しい温泉だ。近年掘削により温泉を掘り当て、1997年から温泉地としての整備が進められた。ただ、金毘羅山の門前町なので昔からの参詣旅館は多く、その参詣旅館が温泉旅館へと看板を書き換えたところが多かった。
今回泊まった御宿敷島館も、400年前に創業し明治時代に建て替えられた老舗旅館「敷島館本館」を旅館再生グループが買い取り、新たに温泉旅館として2019年にオープンした新しい宿泊施設だった。客室が100室もある大きな旅館で、琴平では評判の宿だ。100室の中にはシングルルームもあるので、一人旅でも泊まりやすい。ただシングルルームは畳の上にベッドが置かれた部屋で、ちょっと情緒に欠ける部屋だった。
旅館に着いたのは夜9時だったので、晩飯無しのプランで宿泊。ただ夜10時半に夜泣きラーメンの提供があり、小腹を満たすことができた。温泉は無色透明の弱アルカリ泉で、しっとりとした泉質が特徴だ。しかし4室ある家族風呂がこの宿の自慢で、露天風呂付きの大浴場はそれほど広くなかった。
宿でチェックイン時に全国旅行支援の3,000円分のクーポン券を渡される。しかし、この日は宿で夕食を摂らなかったので、酒やビールにクーポンを使う事が出来ない。また次の日は10時前に列車に乗るので、土産物屋が開いておらず土産物も変えない。仕方ないのでクーポン券が使えるローソンに出向き、そこで3,000円分の本や雑誌を買ってクーポン券を使い切った。
翌朝琴平9:55発の特急南風3号に乗り、土讃線で御免へと向かう。御免から土佐くろしお鉄道の「ごめん・なはり線」に乗って、奈半利へと移動する。ごめん・なはり線は2002年に開通した比較的新しい路線で、土佐湾の東岸沿いに延びる沿岸路線だ。そして終点の奈半利駅で降り高知東部交通バスに乗り換え、室戸岬へと向かう。
室戸岬の近くの岬観光ホテルがこの日の宿だった。奈半利からのバスは14:32にホテルの前の「岬ホテル前」バス停に到着。早速ホテルへと向かい、チェックインしようと思った。チェックインできなくても、荷物だけは預けて室戸岬を観光してこようと思ったのだった。
ホテルの玄関の引き戸は開いていたので、中へと入り、フロントの横に置かれていた呼び鈴を鳴らす。しかし誰も出てこない。「すみませーん」と声を上げてみたが、誰も出てこなかった。うーん、取り敢えず「荷物だけおいて室戸岬に観光してきます」とメモを残して荷物をフロント前に置いて行こうかと迷ったが、もう一度「すみませーん」と大声を上げてみる。すると男性が一人2階から降りて来た。
チェックインできませんかと聞いたが、3時にならないと従業員が来ないからチェックインできないとの回答だった。全国旅行支援のクーポンだけでも貰えないかと尋ねたが、それも従業員が来ないと発行できないとの事だった。仕方ないので従業員が来るまでフロントで待たせてもらう事にした。
3時前に女性従業員が来たので、ようやくチェックインしようと思ったが、部屋の掃除が終わっていないのでダメとの事だった。そこでホテルに荷物を預け、クーポン券だけ発行してもらって室戸岬まで観光に行ってくることにした。