世界一周・第二期19
世界一周・第ニ期19日目(2019/11/14)
翌朝、異変に気が付いた。右の下腹部に妙な痛みがあるのだ。腰から脇腹に掛けての、鈍い痛みだ。内部からジリジリと迫ってくるような、不快感を伴った鈍い痛み。歩くのもつらい状況だった。
実は日本で人間ドックを受診したとき、腹部のエコー検査で腎結石が見つかっていた。その時は自覚症状が無かったので、取り敢えず経過観察ということになったが、その腎結石が悪さしているようだった。
5年前に胆石で入院したことがあり、その時は胆嚢を切除している。だから内臓に石ができやす躰である自覚はあった。それでも独り身の生活が続いているので、結石を抑えるような食生活改善活動は一切していない。いつかは結石が、また悪さする可能性があることは、ずっと自覚していた。
それがとうとうこの日、症状として現れてしまった。腎臓結石であれば、放っておけば石が移動し、症状は治まる。でも結石が尿路まで移動し、尿管結石になってしまえば激痛が走るので、自然治癒を待つ状況ではなくなる。
取り敢えず薬(痛み止めと内臓薬)を飲んで、腎結石が尿路に移動しないよう祈ることにする。この日は夕方の飛行機でイスタンブールに戻る予定だったので、昼間は再びパムッカレを観光しようと思っていたが、飛行機の時間までホテルで大人しくしておくことにした。
薬が効いたのか、昼過ぎには少し痛みが楽になった。しかし余り食欲がなく、昼間ホテルのレストランでいただいたパスタも、ほとんど残してしまった。
チェックアウトした後だったので、食事後じっとロビーで座っていた。すると、フロントの従業員からチャイをいただいた。お腹が痛いと言ったので、心配してくれたようだった。
3時前にホテルに手配してもらったタクシーに乗り込み、デニズリ空港へ移動。夕方には体も楽になってきて、飛行機にも問題なく乗れそうだった。
夜8時にイスタンブール空港へ到着。この日泊まったのは空港近くのホテルで、翌日の飛行機に備えて寝るだけの逗留だった。
しかし、ホテルに着いた途端、すごくお腹が減って来た。食欲が回復したみたいだった。早速、ホテルレストランに移動。そこでしっかりと食べることができたので、体力も回復している。そう信じて、その日はしっかりと寝ることにした。