タイ県巡り・チャイヤプーム県02

タレーブアデーンの赤スイレン群生地
ボートはエンジン音を響かせながら、そろりと湖面を進んで行く。周囲はまだ闇に包まれていたが、東の方の空が少しずつ明るくなっている。湖面には何艘かのボートが行き交っていた。タレーブアデーンの赤スイレン群生地はインスタなどのSNSを通じて有名になった観光地で、世界中の観光客がやって来るスポットだ。ただ、赤スイレンは12月から2月までの早朝にしか見ることが出来ないので、ウドンタニーなどに泊まってツアーに参加するか私のようにタクシーをチャーターして来るしかなく、観光客は思ったより多くなかった。
やがてボートは沖合の赤スイレン群生地に停泊する。周りのボートもエンジンを止めて、赤スイレンを鑑賞している。赤スイレンに覆われた湖面は静寂に包まれていて、神秘的な時間が過ぎていく。

タレーブアデーンの夜明け
6時30分過ぎに、ようやく日の出の時間を迎える。朝日に照らされた群生した赤スイレンは見事で、幻想的な情景が広がっていた。周囲の観光客と同じように、私も写真を撮りまくった。日の光は少しずつ高度を上げ、水面の情景も徐々に様相を変えていく。
ネットで調べると早朝のタレーブアデーンはかなり寒いので、少し厚着をした方が良いとのアドバイスがあった。しかし1月末のタレーブアデーンはそこまで寒くなく、長袖シャツに薄手のブルゾンを着込むだけで十分だった。寒さに備えてセーターも持って行っていたが、それを着る必要は無かった。
ボートは何か所かの見所をゆっくりと巡って行く。やがて太陽も湖上のはるか上へと登り切り、周囲もすっかり明るくなったところで、ボートは湖畔の係留所へと戻る。そして再びタクシーへと乗り込み、8時頃ホテルに帰ってきた。

コーンケーンの高級宿プルマンコーンケーン
礼を言って代金を払い、タクシーを降りようとすると、タクシーの運転手からこれからどうするんだ?と聞かれる。私は少し寝直してからコーンケーンに移動する予定だと答えた。するとタクシーの運転手から、1,600バーツでコーンケーンまで行くよとの提案を受ける。私はバスでコーンケーンまで行くのは面倒に思っていたので、その提案を有難く受けることにした。
そして12時にホテルを出て、タクシーでコーンケーンに向かう。ウドンタニーとコーンケーンは120kmほど離れているが、高速道路で結ばれているので午後1時半にはコーンケーンのホテルに着いてしまった。コーンケーンの宿はプルマンコーンケーン。地球の歩き方にはタイ東北部最高級ホテルと紹介されているが、予約サイトで1泊1万円ほどで泊まれてしまう。やはりタイの地方はまだまだ物価が安い事を実感させられた。

ベルボーイもいるプルマンのフロント
そしてここでようやく、今回の旅の最大の目的であるチャイヤプーム観光の手配を進めることにした。ホテルのベルボーイに、次の日のタクシーの手配が可能か尋ねる。目的地はプーウィアン国立公園、タートトーン滝、モーヒンカーオの3ヶ所だ。このうちタートトーン滝とモーヒンカーオがチャイヤプーム県の観光地だ。
ベルボーイは少し待てと言って、電話を掛ける。タクシードライバーに確認を取っているようだった。そして他の2ヶ所はOKだけど、タートトーン滝には行けないとのドライバーの答えを私に伝える。タートトーン滝はノーンカーイにあるから、ここから行けないとの事だった。ノーンカーイ?それはおかしい。そして少し調べてみると、確かにノーンカーイにもタートトーン滝という名の滝がある。ただ、滝の名のスペルが違う。私がベルボーイに渡したタイ語のメモのスペルが間違いで、別の滝の名前になっていたのだ。慌ててスペルを訂正し、再度確認を依頼する。そして、翌日のプーウィアン国立公園、タートトーン滝、モーヒンカーオを周遊する個人手配ツアーを予約をすることが出来た。タクシーチャーター代金は4,000バーツ(1万9,000円)だった。かなり高額なチャーター代だが、行程400kmほどのグランドツアーになるので仕方ないと思い、それで了承した。