中央アジア周遊ツアー03
翌日は、ホテル・カザフスタンの近くにあるロープウェイの乗り場から、山頂ロープウェイに乗り込んだ。ロープウェイは標高1,070mのコクトベに登っていく。
コクトベの山頂は遊園地になっていて、市内を展望する事ができる。生駒山遊園地のような山上遊園施設だった。遊園地内にはカフェもあり、カフェの屋外テーブル席から市内の眺望が楽しめる。山頂はアルマトイ市内から300mほどの高台にあるので、ちょうどあべのハルカスの展望台からの眺めに相当する。市内の建物や公園を細かく観察する事ができる展望台だった。
山頂遊園にはゴーカートやコースターのような遊具設備や動物園などがある。また観覧車もあり、更に高いところから市内を見下ろすことができる。私も別料金を払って観覧車に乗り込み、市内眺望を堪能した。
そして、昼過ぎにアルマトイ空港へと移動。中央アジア2カ国目のキルギスの首都ビシュケクへと向かう便に乗り込んだ。もともとは翌日の午前便でビシュケクに向かい、夜便でアルマトイに戻る日帰り旅行の予定であったが、アスタナ航空から連絡があり、午前便が無くなってしまったとの事。日帰り旅行が出来なくなったので、ビシュケク1泊旅行へと変更したのであった。
夕方6時過ぎにアスタナ航空便はビシュケクに到着。ビシュケク市街地中心部のホテルプラザ・ビシュケクへとタクシーで向かう。ホテルはパンフィロフ公園のそばのクラシカルなホテルで、雰囲気の良い宿だった。1泊だけビシュケクに泊まるので、スーツケースはアルマトイのホテル・カザフスタンに置いてきて、ナップザックに1日分の着替えと日用品だけ詰めての小旅行という形になった。この日はホテル内のレストランで夕食を食べて、暫く部屋で寛いでから床に就いた。
翌日はビシュケク観光。ホテルから歩いていける範囲で見どころを回り往く。まずはキルギス民族の英雄であるマナス王の像を見学。英雄叙事詩のヒーローで、キルギス人のシンボルとなる伝説の王だ。日本でいうとヤマトタケルのような存在だろうか。
続いてキルギス国立歴史博物館を見学する。ここはキルギスの歴史と民俗に関する展示が充実した博物館で、キルギス国内で発掘されたスキタイ民族の青銅器、色々な武具、そして遊牧民の移動式住居「ユルタ」での生活様式の展示などを見学することができた。外は暑かったので、結局博物館に3時間ほど滞在し、ゆっくりと展示物を見て回った。
そしてビシュケク空港へと移動。ラウンジで軽食を食べてから、夜7時半のアスタナ航空便に乗り込み、アルマトイへと戻った。
次の日は飛行機往復で、カザフスタンの首都アスタナを日帰り観光した。カザフスタンは最大の商都アルマトイがかつての首都だったが、1997年にアスタナへ首都を移した。民族の融和を進めるため、ロシア系住民が多いアスタナに首都を移したとの事だった。この日の日帰り旅行は、もともと5時間ほど観光時間が取れる予定だった。しかし、行きの飛行機の出発が遅れ、現地滞在時間は2時間ほどになってしまう。タクシーをチャーターし、駆け足でのアスタナ観光となった。
アスタナは新しく人工的に作られた町で、黒川紀章も都市計画に参画したことでも知られている。キラキラと光る建造物が多く、如何にも新しく作られた首都という感じだ。まず球形の建物で知られる未来のエネルギー館へと移動。高さ105mの建物を見上げ、記念撮影し、時間が無いのですぐバイテレクと呼ばれる新首都のシンボルとして建てられたタワーの展望台へと昇る。展望台から日々発展する町のパノラマを一望したあとアスタナ空港へと向かい、アルマトイへと戻った。