中央アジア周遊ツアー02
ホテル・カザフスタンは1978年の開業で、旧ソ連時代はカザフスタンを代表する高級ホテルだった。ソ連崩壊直後は少し寂れていた時期もあったようだが、現在は綺麗に改装されていて、両替所(レートは良くない)やレストランも揃った使い勝手のいいホテルとなっている。ただ、サービスは社会主義時代を引きずっているようであり、例えばランドリーサービスは土日祝が休みとなっていた。カザフスタンに着いたのが6月22日の土曜日で、ソウルでの滞在で洗濯物が溜まっていたのでランドリーをすぐに利用したかったがそれは叶わず、結局ホテルの自室で手洗いしなければならなくなってしまった。
ホテル・カザフスタンは26階建のホテルで、高層ビルの少ないアルマトイでは、その楕円形のフォルムをすぐに見つける事ができる。そのため、ホテルに戻るときにはとても便利だった。
翌日目を覚ますと、少し問題が発生した。下腹部に鈍い痛みがある。どうやら腎臓の結石が悪さをしているようだった。私は内臓の中に石ができやすい体質で、以前胆石ができて胆嚢を切除した事がある。その後エコーで確認してもらうと、腎臓にも石が溜まっている事を確認。これが時々悪さをし、私に鈍い痛みをもたらしていた。
取り敢えず持参していた内臓の薬(ブスコパン)と痛み止め(ロキソニン)を飲む。これで痛みが治まってくれれば、そのうち結石がどこかに移動し、事なきを得る。ただ、石が尿管に移動すると尿管結石(尿路結石)となり、この症状が出てしまうと痛くて旅行などできなくなる。何とか痛みが治まるよう祈りながら、朝食を食べ、午前中はホテルの部屋の中で過ごした。
その後幸い痛みは少し治まってきて、何とか外出しても問題ない状態にまで回復した。そこで昼から部屋を出て、市内散策へと出かける。2011年に開業したアルマトイの地下鉄に乗る。地下鉄は地中深くに設けられていて、運賃は50テンゲ(約17円)だった。そして2駅地下鉄で移動し、市内一の繁華街であるジベック・ジョル大通りへと出向く。ここは社会主義時代から存在する商業施設・ツム百貨店があり、そこでまとまったお金を現地通貨テンゲに両替した。
アルマトイには街ナカに両替店がたくさんあり、簡単に米ドルをテンゲに両替できるとガイドブックに記されていたが、ホテルの周辺では両替店を見つけることが出来ず、レートの悪いホテルの両替店を利用するしかなかった。カザフスタンも急速にキャッシュレス社会に移行しており、両替店も数を減らしているようだった。ツム百貨店内でやっと見つけた両替店は、それほどレートは悪くなかった。なのでここで、まとめて両替する事にしたのだ。結果的には前日、空港からタクシーを利用した時に、両替店へと寄ってもらうのが正解だった。
その後、ジベック・ジョル大通りを東へ移動し、28人のパンフィロフ戦士広場へと移動。ここは第二次世界大戦時に、カザフスタンから出征した戦士がモスクワ防衛を果たし、そして戦死したパンフィロフ将軍率いる28人の戦士を記念して作られた公園だった。園内には戦勝記念碑があり、その横に永遠に火が途絶える事がない無名戦士の墓などのモニュメントもあちこちにある。ソ連時代の戦争記念公園だが、今もお参りに来る人が絶えない賑やかな公園だった。
その後、公園内のカザフ民族楽器博物館を観光。カザフスタンの代表的な民族楽器を紹介する博物館だったが、世界の民族楽器の展示などもあり、なかなか興味深い博物館だった。公園内には1904年に建立されたゼンコフ正教教会もあり、市民の憩いと祈りの場を提供するカザフスタン随一のパブリックスペースとなっていた。