スリランカツアー03
仏歯寺を見学した後、キャンディ湖の周りを少し散歩する。キャンディのシンボルと言えるキャンディ湖は周囲1.5kmほどの小さな水域で、周囲の遊歩道はいつも家族連れや観光客で賑わっていた。
そして街を少しブラブラしてから、ホテルへと戻る。ホテルにはツアーデスクがあったので、そこで次の日から利用するチャータータクシーを予約した。次の日はキャンディから40kmほど離れたマータレー近郊の観光地、ナーランダとアルヴィハーラを訪れ、その次の日は文化三角地帯にあるスリランカを代表する観光地、ダンブッラとシーギリアを訪れ、次の宿泊地であるカンダラマへと移動するツアールートを予約した。タクシーチャーター代は1日目が15,000ルピー(=約6,750円)、2日目が22,000ルピー(=約9,900円)だった。
そして次の日は予約したチャータータクシーで、まずナーランダを観光する。ナーランダはセイロン島中心のシンボルとして建てられた仏殿で、8世紀頃建てられた遺跡だ。1,000年以上前の南インドの建築様式が見られる貴重な遺跡で、ヒンドゥー文化の様式も色濃く反映された遺跡だった。
続いて、アルヴィハーラを観光。貴重な仏像や経典が多く保管されている仏教寺院だが、この寺院を有名にしたのはくり抜いかれた岩肌に描かれている地獄絵図だ。有名なのは第2窟の地獄絵図で、地獄に落ちた人々を鬼たちが様々な攻め具で傷みつけている様子がおどろおどろしく描かれている。ただ、鬼たちの表情は少しユーモラスでコミカルな感じだったので、それほど恐ろしい絵図だとは思えなかった。
その次の日はいよいよスリランカ観光のハイライト、ダンブッラとシーギリアを訪れる。まずスリランカ最大の石窟寺院であるダンブッラ観光。岩山の頂上付近にあった洞窟を掘った石窟寺院で、第1窟から第5窟までの5つの石窟が設けられていた。第1窟は紀元前に掘られた石窟で、第5窟は西暦1915年に造られたとの事。2000年以上もの間、造られ続けていた祈りの場だ。
特に有名なのは第2窟で、ダンブッラ最大の洞窟だ。幅52m、奥行き25mの空間に56体もの仏像が安置されており、洞内の壁や天井にギッシリと描かれた壁画が仏像を取り囲んでいる。仏陀の生涯やスリランカの歴史が細かく描かれていて、迫力満点だった。
そして次にシーギリアを訪れる。シーギリアはエアーズロックのような巨大な一枚岩の岩山で、その岩山の上にかつて王宮が築かれていた。麓から岩山を見上げると、その巨大さが本当に実感できる。私はタクシードライバーに1時間くらいで戻ると告げ、シーギリアロックを昇り始めた。
しかし、シーギリアロックは急な石段や外付けの鉄製階段を昇り続けないと頂上の王宮の遺跡に辿り着く事ができない。またこの日は雨が降り、床面が滑りやすくなっていて、ゆっくりとしか階段を昇る事ができなかった。45分ほどで岩山の中腹のライオン・テラスまで到達したが、このまま昇り続けると、とても1時間で駐車場に戻る事が出来なくなる。
スマホのSIMはデータ専用だったので、ドライバーに電話連絡する事も出来なかった。私は頂上の王宮見学は諦めた。そこで、岩山中腹にあるシーギリア・レディと呼ばれる美女のフレスコ画のみを見学してからシーギリア・ロックを降りる階段へと歩を進め、タクシーが待つ駐車場へと戻った。タクシーのドライバーは、そりゃ1時間で戻ってくるのは難しいと思っていたよと、笑いながら私を迎えた。
うーん、それなら初めから1時間じゃ無理だから、待合わせ時間を1時間半くらいにしようと提案して欲しかった。まあでも、シーギリア見学の目玉のシーギリア・レディとは対面でいたので、取り敢えずよしと考える事にした。そしてシーギリアを離れ、次の宿泊地であるカンダラマへと向かった。