バンコク隔離ホテル生活04
2020年12月24日、クリスマスイブの日、私はタイに渡るため関空へと向かった。仙台からピーチで帰って来た11月12日以来の関空だったが、相変わらず人は少なく、閉まっている店も多い。
しかし国際線出発ロビーの4階の一角には、それなりの人がいる。タイ航空のカウンターにも30人程度の先客が並んでいた。
だが飛行機へとチェックインするためには、幾多もの書類確認を受けないといけない。30人くらいの列でも、チェックインカウンターで書類確認に時間が掛かってしまうのではないかと心配していた。
しかし、列に並んでいる人の間を係員が行き来していて、チェックインするまでの間に書類確認している。列に並んでいる間に書類確認を終え、チェックインカウンターでは通常のチェックイン手続きだけだったので、そんなに時間は掛からなかった。
そして出国手続きを経て、9カ月ぶりに国際線の制限エリアへと移動する。国際線の制限エリアではラウンジは全て閉まっていて、売店や免税店も多くの店が営業停止中だった。本当に早く日常が帰ってきて欲しいと強く思った。
飛行機はほぼ定刻の11時に出発した。機材はB777。搭乗率20%程度の淋しいフライトだった。そしてアルコールの提供も機内エンターテインメントサービスも休止されていた。
一番驚いたのは、客室乗務員の恰好。全員が防護ガウンとキャップを着用、そして顔はゴーグルとマスクで覆っている。そこまでやるかとの感じだが、国際線ではこれが当たり前になっているのだろう。
機内食を平らげiPadで映画を観たりしながら、5時間半のフライト時間を過ごす。飛行機は定刻より1時間ほど早い午後2時半にスワンナプーム空港へ到着した。
空港に着くと機体は普通にブリッジへと横付け。スワンナプーム空港の長い連絡通路を歩いて入国審査場を目指す。ところが通路の途中にパイプ椅子が一杯に並べられており、搭乗客は順にその椅子に座るように促される。どうやら入国前に、入国許可証や陰性証明などのチェックを受ける事になるようだった。
つまりここで書類に何らかの不備が見つかれば、タイへと入国できず日本に送り返されてしまう可能性がある。入国前最後の緊張の瞬間だった。