熊本~指宿観光特急旅05
翌日は指宿駅朝7:28発の快速”なのはな”型車両で運行されている各停列車に乗り込む。山川駅で列車を乗り換え、ホテルで用意してもらったランチボックスを朝飯にして、指宿枕崎線を枕崎方面へと進んで行く。指宿駅から6駅目の開聞駅で下車。
開聞駅は開聞岳から一番近い駅であり、開聞岳への登山道の入口となっている駅だ。開門駅で7:58に降り、30分後の上り列車で指宿方面に折り返す。その30分の下車時間で、登山道を少しだけ歩いてみることにした。
開聞岳は標高924m。深田久弥の日本百名山に選ばれている山としては殊に低い山だが、完全な独立峰で美しいフォルムの山だ。開門駅から少し東に進み、踏切を渡ると、かいもん山麓ふれあい公園の入口が見えた。ここが開聞岳の登山道の入口で、登山客用の駐車場もある。
駐車場まで少し歩いてみたが、開聞岳を見張らすことが出来る開けたスポットを見つけることができなかったので、そのまま開門駅までとんぼ返りした。8:27の指宿行き列車に乗り込む。
今度は開門駅から3駅戻った西大山駅で下車した。西大山駅は日本最南端の鉄道駅だ。鉄道駅と言明したのは、モノレールは軌道でその駅は鉄道駅じゃないと解釈するためであり、広義の鉄道駅としては沖縄のゆいレールの赤嶺駅が日本最南端の駅という事になる。
西大山駅は周囲一面に畑が広がるのんびりとした駅で、見晴らしがいい。開聞岳を臨む駅としては、開門駅より条件がよく、開聞岳と日本最南端の駅の標柱を撮るのが記念写真の定番だ。私は近くの商店で売っていた日本最南端駅到達証明書をゲットしてから次の上り列車を待ち、開聞岳、標柱、列車のセット写真を撮ってから上り列車に乗り込んだ。
続いて指宿と鹿児島中央の間の薩摩和泉駅と喜入駅で降りる。薩摩和泉駅周辺は篤姫が幼少期を過ごした遺跡が残る観光地で、ゆかりの史跡が多く残されている。錦江湾沿いをブラブラと歩きながら、それらの史跡を巡った。喜入駅からはバスに乗り換え、知覧に向かう。知覧は太平洋戦争末期に特攻の基地があったところで、特攻平和記念館がある。記念館では特攻隊員の遺品が多く展示されていて、その遺書等を感慨深く鑑賞した。
鹿児島中央駅発16:46の新幹線みずほ610号に乗り込み、大阪へと戻る。3時間53分の鉄道旅だ。4時間弱の鉄道旅は、飽きずに飲み鉄を楽しむのにちょうどいい時間だ。駅弁や乾きモノを肴に、ビール、ワイン、ウィスキーを嗜んでいると、新大阪駅に辿り着いた時点で、丁度いい感じに出来上がった。私には飲み鉄旅が一番合っていることを、改めて確認したひと時だった。