シーザーズ・アトランティックシティ01
ラスベガスを除く全米のカジノシティの多くは軒並み売上を落とし、カジノは経営難に喘いでいる。全米第2位のカジノシティ・アトランティックシティも例外ではなく、カジノの売り上げは最盛期(2006年)の5分の1に落ちてしまったとの事だ。
アトランティックシティはカジノシティとしての歴史が浅い。1976年にギャンブルが合法化され、次々と大型ホテルが建てられるようになった事が始まりだった。ニューヨーク等の大都市に近く、続々とカジノ客を集めるようになり、最盛期の2006年当時は、アトランティックシティのカジノ売上額がラスベガスを超えて全米1位(当時は世界1位)になった事が話題となった。
しかし、その頃の勢いはもうない。2016年には5つのホテルが閉鎖に追い込まれており、ゴーストタウン化する懸念すら囁かれていた。
しかし大型ホテルのボルガータを初めとした新規ホテルも少しずつオープンしており、アトランティックシティの凋落も止まったように見える。世界一周でニューヨークに立ち寄った私は、ニューヨークからバスで2時間半の場所にあるこのアトランティックシティの現況をこの目で確かめたいと思い、この地に降り立った。
などと恰好をつけたことを書いてしまったが、ただカジノがしたかったということと、ニューヨークはホテル代が高いので、平日だとホテル代が安いアトランティックシティに逗留する事を選んだというのが本音だ。
ニューヨークのポートオーソリティバスターミナルでアトランティックシティ行きの往復チケットを買い、グレイハウンドバスに乗り込む。$38の往復運賃で$25のカジノクーポン引換券付きだ。
宿泊するのはシーザーズホテル。ラスベガスの同名のホテルの系列店だ。グレイハウンドバスは直接このホテル1階のバス乗り場に入り、ここで乗客を降ろす。乗客はこぞって引換券をカジノクーポンに換える。そのあとフロントでチェックイン。
私にあてがわれたホテルの部屋は29階に位置しており、広々としたキングベッドルームだった。丸いラウンドテーブルとソファチェアはあるものの、レターデスクは無い。ホテル内で仕事なんてして欲しくないカジノの姿勢が良く分かる部屋の作りだ。
そして私は荷物を少し整理してから、意気揚々と1階のカジノフロアに向かって行った。