西地中海クルーズツアー07

グエル邸の奇妙な煙突
クルーズ6日目はバルセロナに寄港。バルセロナは29年振りの訪問だが、前回来たときは自由観光できたサグラダファミリアが事前予約制になっており、入場時間を指定した予約券を、ネットで予め入手する必要があった。バルセロナ港からサグラダファミリアに移動する時間に十分余裕を見込んだので、結局サグラダファミリアを見たらすぐクルーズ船に戻る必要がある時間設定になってしまった。
ただ、バルセロナ港から市内へと向かう連絡バスに待ち時間なく乗ることができたので、早めにバルセロナの目抜き通りであるランブラス通りに辿り着いた。なので、まずランブラス通りの近くに建つグエル邸を見学した。グエル邸は、これもガウディが設計した名建築で、29年振りの見学だ。奇妙な煙突で有名な建築物だが、天井や柱や壁の見事な装飾は、やはりガウディ建築だと言うしかない。そうしてしばらくグエル邸を見学してから地下鉄に乗りサグラダファミリアへと移動した。

生誕のファサードからイエスの塔を見上げる
地下鉄を乗り換え、サグラダファミリアに到着。駅を降りると教会の荘厳な外装が目に飛び込んでくる。1882年に着工したサグラダファミリアは、140年以上経過した現在もガウディが残した模型や設計図を基に工事が続けられているが、信者達の寄進で工事費を賄う計画だったため、なかなか工事が進まず、200年経っても完成しないだろうと予想されていた。しかし見学客の入場料が増え、そのおかげで工事が急に進み、一番の難工事と言われていた170mの高さのイエスの塔がガウディ没後100年の2026年に完成すると発表され、工事の完了がようやく見えてきた。
地下鉄の出口から2分ほど歩いてサグラダファミリアの入場口へと進む。事前に印刷したバウチャーを見せ、手荷物検査を受けてから、いよいよバルセロナ観光の目玉、サグラダファミリアへと入場する。

樹木のような柱で支えられた聖堂の天井
オーディオガイドの指示に従い、生誕のファサードと呼ばれる唯一ガウディの生前に完成した門を見学してから、聖堂内部へと移動。昼間の聖堂は自然光で満たされていて、ステンドグラスを通して様々な色の光が内部に差し込んでいる。壮大な身廊の天井を支える柱は、樹木の形状をしていて、枝分かれした木々が天井を支えているように見える。森のような聖堂の内部を、当時のガウディの設計思想に思いを寄せながら、ゆっくりと眺めていた。
そして次は生誕のファサードの鐘楼をエレベーターで昇る。エレベーターを降りると、鐘楼と鐘楼の間をつないでいる渡り廊下が現れる。渡り廊下から見上げると、完成間近のイエスの塔の工事の様子を間近で眺めることができた。そして螺旋階段を使って鐘楼を降り、サグラダファミリアの観光を終え、クルーズ船へと戻った。

マルセイユ・バニエ地区の風情ある坂道
次の日、クルーズ旅行7日目はマルセイユに寄港。クルーズ船のウォーキングツアーに参加し、マルセイユの旧市内を巡った。まずセント・マリー・マジョール大聖堂を見学してから、隘路を抜けながらマルセイユ昔ながらの下町バニエ地区を見て回る。坂道が続く風情ある石畳の道を抜け、地中海考古学博物館のあるヴィエイユ・シャリテという礼拝堂を訪れた。
そしてバニエ地区で天然石鹸のショップやチョコレートショップに寄ったあと、サン・ジャン要塞へと移動し、マルセイユ旧港を見渡す。旧港には多くの漁船やボートが係留されていて、狭い水面が殆ど埋め尽くされていた。サン・ジャン要塞では対面のサン・二コラ要塞やノートルダム・ド・ラ・ギャルド・バジリカ聖堂も見渡しながら港の景観を堪能し、クルーズ船の連絡バスに乗ってマルセイユ港のクルーズ船へと戻った。